ホワイトセミナー2018

ホワイトセミナー2018速報

 2018年1月20日(土)13:30から、北海道がんセンター5F第2会議室において、「臨床検査室をマネジメント」をテーマにしたホワイトセミナー2018を開催しました。
 例年とは少しだけ名称を変えたホワイトセミナーは講演3題と盛りだくさんな内容で、会員、講師、メーカーの合わせて40名の参加がありました。

講演1

講演1 甲斐 直樹 氏
 講演1はシスメックス株式会社の甲斐直樹氏を講師にお迎えし、「保険診療の基礎と平成30年度診療報酬改定の動向」と題した講演を行いました。
 まず平成30年度の診療報酬改定に向けた議論の内容と検査部門における対応についてお話し頂きました。 今回の診療報酬改定の基本方針は大きく変わらないものの、医療・介護の連携体制強化を重要視する医療政策に動きがあり、社会保障制度改革の流れを捉えておく必要があるようです。 これから日本の人口が減少していくなかで、高齢者の占める割合は増加し社会保障の負担が増えることが想定されますが、 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しているとのことでした。
 また病院経営の状況を調べた近年の調査では、回答施設の約7割が赤字であり、医師不足など医療従事者の過重労働といった課題も蓄積しているそうです。 これらを解消するため、医療機関が地域における自らの役割を選択し、機能分化を図り、患者サイドが医療機関を適切に選択して利用できるような地域医療構想の実現に向けて都道府県が誘導していくとのことでした。
 超高齢化社会が間近に迫ってきている危機感を感じ、それに伴って改革される医療政策の流れに沿った検査室運営の必要性がわかり、大変勉強になりました。甲斐先生ありがとうございました。
   


講演2

講演2 塩見 選矢 氏
 講演2は、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社の塩見選矢氏をお迎えして「BCP(災害時事業継続)について」と題した講演を行いました。 BCPとは震災などの緊急時に、急激に低下した操業レベルをいつまでに復旧させるのか、 最低限維持する必要のあるレベルを決めて、予想される被害と目標とのギャップを埋めるための計画とのことでした。従ってBCPは作成後も見直し、継続的に改善していく必要があるそうです。 一般企業であれば災害発生後のサービスレベルは下がってしまうところですが、災害拠点病院においては逆に通常より多くの業務が必要になってくるため、より高いレベルのBCP策定が求められるとのことでした。
 臨床検査の災害対策については、電気、水、ガスといったライフラインが途絶、または限られている中で、治療のために必要な検査データを提供できる体制の構築が必要とのことでした。 血栓の検査を一つ例にとっても、小型のポータブルエコー機と下肢エコーを検査できる技師がいればDダイマーの試薬を温存することが可能になります。 よって、検査室では適切な情報を基に、ヒト、ライフライン、機器・試薬の状態を把握しながら、これらを適切に活用できるようにしていくことが求められるとのことでした。
 先日、千島海溝での巨大地震の新想定が公表されたように、日本で大きな災害というとやはり地震があげられると思います。 非常時に臨床検査室はどのように動くべきか、とても有意義な講演でした。塩見先生ありがとうございました。  


特別講演

特別講演 伊藤 一輔先生
 特別講演は、元国立病院機構函館病院院長で北海道笑ってもいいんでない会 笑司長の伊藤一輔先生をお迎えして「笑いは、ストレス社会を生きる特効薬」と題した講演を行いました。 地球上には様々な生命体がいますが、笑うことを行うのは唯一人間だけであるということでした。笑うことは体に良い影響を与えることがわかり、最近では落語や笑い療法を推奨している医療施設もあるそうです。 体の疲れは休息することで元気になりますが、心の疲れを癒すのはなかなか難しいことと思われます。その心の疲労度と密接に関係しているのがNK細胞なのだそうですが、この細胞は笑うことで活性化するのだそうです。 そしてなんとお得なことに作り笑いでも活性化するそうです。
 また笑いだけではなく楽観的な考え方も大切だということでした。日記に楽しい、幸せというポジティブな言葉を多く使っている人の方が、 つらい、悲しいというネガティブな言葉を使っている人よりも長生きすることが研究で証明されたそうです。 今の世界情勢をみても、このストレス社会をみても、なかなか楽観的な考えだけでは生きてはいけないと思いますが、日常のささやかなことに幸せや楽しさをみつけて、ハハハ、アッハッハと笑いながら暮らしていきたいものです。 どうしてもつらくて笑えない時は、ウソでも笑いなさい、それでも笑えない時は、思い切り泣きなさいということでした。
 ちなみに北海道笑ってもいいんでない会・日本笑い学会北海道支部では、ハハハに因んで八月八日を道民笑いの日と制定しているようです。 伊藤先生には笑いの大切さをユーモラス満載でお話しして頂きました。ありがとうございました。


ホワイトセミナー2018

開催日時


テーマ: 「臨床検査室をマネジメント」
日時 : 2018年01月20日(土) 13:30~
場所 : 北海道がんセンター 5F 第2会議室
参加費: 1000円
受付 : 13:00~


プログラム


総合司会 国臨協北海道支部 事務局長  灘 雅雄  

開会の辞
 13:30~13:35
国臨協北海道支部 支部長  星 直樹 
講演1
 13:35~14:35
司会 佐藤 路生 (国臨協北海道支部 副支部長) 

「保険診療の基礎と平成30年度診療報酬改定の動向」
シスメックス株式会社 東日本営業本部                
トータルソリューション課 課長 甲斐 直樹 氏 
休憩
 14:35~14:45

講演2
 14:45~15:45
司会 早乙女 和幸(国臨協北海道支部 副支部長) 

「BCP(災害時事業継続)について」
オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社         
Vitros マーケティング 塩見 選矢 氏 
休憩
 15:45~16:00

特別講演
 16:00~17:00
司会 星 直樹(国臨協北海道支部 支部長) 

「笑いは、ストレス社会を生きる特効薬」
北海道笑ってもいいんでない会(日本笑い学会北海道支部)・笑司長(支部長)
元国立病院機構函館病院 院長 伊藤 一輔 先生 
閉会の辞
 17:10~17:15
国立病院臨床検査技師長協議会 北海道支部 会長 志保 裕行 
国臨協北海道支部 事務局
〒063-0005 札幌市西区山の手5条7丁目1-1
独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター 臨床検査科内
TEL 011-611-8111  FAX 011-611-5820
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