ウインターセミナー2015

ウインターセミナー2015速報

 2015年1月31日(土)13:30から、北海道がんセンター5F第2会議室において、「医療安全」をテーマにしたウインターセミナー2015を開催しました。
 国臨協北海道支部では例年この時期に主任臨床検査技師を対象とした「主任技師等研修会」を行ってきましたが、今年からは対象者を全会員に広げ、名称もウインターセミナーと改めて実施することとなりました。 第一回のウインターセミナーは講演2題と参加者全員によるグループディスカッションという内容でした。 当日は晴天にも恵まれ道内各施設から会員37名、講師2名、その他2名の合わせて41名の参加がありました。 志保支部長の挨拶の後、当研修会を共催している国立病院臨床検査技師長協議会北海道支部 印部俊雄支部長の司会で最初の講演が始まりました。

講演1

講演1 坂本 美和子 氏
 講演1は北海道がんセンター医療安全管理部医療安全管理係長の坂本美和子氏を講師にお迎えし、「職種間における医療安全」と題して行われました。
 坂本氏によると医療における安全管理の目的は、「医療の質の確保と健全な経営」であり、これがなされない組織・病院は「つぶれてしまう」と医療安全の重要性を説かれました。 続いて、病院の場合には1つの事例に複数の人・複数の職種がかかわっていることが多く、それぞれの立場から間違いを指摘していれば事故を防げた事例もあることから、職種間のコミュニケーションや連携、情報共有が大切であると述べられました。 また、インシデント情報の収集では、事実の確認が重要であるため関係者の言い訳をよく聞いてあげることと、当事者を責めないことに気を付け組織として報告しやすい土壌を作り出すことが肝心であると述べられました。 リスクのない医療はありませんが、いかに「受け入れられるくらい低いレベルのリスクを伴った医療」を提供できるのかを医療人・組織人として考えることは必要です。 最後に安全な医療環境を提供するための責任と役割を自覚することや、部門間の連携を深める努力をしてほしいと講演を締めくくられました。
 臨床検査技師からの報告は少ない傾向があるようですので日常の業務の中で「これ、何か危ないんじゃないの?」と思ったら医療安全に報告するようにしましょう。
坂本先生ありがとうございました。


講演2

講演2 弥永 利律子 氏
 講演2は、株式会社モロオ事業開発本部の弥永利律子氏をお迎えして「患者目線で考えるコミュニケーション」と題した講演を行いました。 弥永先生は冒頭「患者目線のコミュニケーションとは『技術』ではないため言葉を変えただけでは意味がない」事や 「接遇等を学ぶ機会は多いが理解しているのとできるのとは違う」と述べられ、本講演は会場にいる会員が参加するロールプレーイング型となりました。
 講演ではホテルでの電話対応を例に、参加者と実際に会話しながらコミュニケーションの取り方を実演され、たった一言の対応の違いが印象を大きく変えることを示されました。 そして「言葉が『○○様』と丁寧でも態度が横柄な人がいる」事や医療業界におけるクレーマーやモンスターといわれる人は実はわれわれ自身の態度が作リ出していることが多いとの指摘され、 大切なのは相手の心を考えた対応であると述べられました。 全員参加のロールプレーイングでは会場を患者側と医療者側の2グループに分け、患者側は少し機嫌が悪い設定として職員が対応を実演することなりましたが、全員が冒頭の対応でつまづき、以降の実演にたどり着けない事態となってしまいました。
 最後に一般的なビジネスマナーについても触れられ、我々が普段あまりすることが無い名刺交換の作法等について教えていただけました。 全体的には我々臨床検査技師には心当たりのある耳の痛い指摘が多く、医療人として非常に反省させられる講演でしたが、日常業務に役に立つ充実した内容だったと思います。
弥永先生ありがとうございました。


グループディスカッション

 医療安全に関するインシデントの仮想事例を5例用意してディスカッションを行いました。まず、参加者を5つのグループに分け、それぞれのグループに1例ずつ事例を割当、事故を起こした要因と防止する方法を考えだしました。
 事例は臨床検査技師の業務に関連するもので、採血、医療情報、病理、血液凝固、輸血の各分野から用意されました。討論時間は25分で各グループには司会担当とアドバイザーが1名ずつ指名されこの2名を中心にディスカッションを行いました。
 最後に各グループの代表者1名が結果を発表し全体討論となりました。今回提示した事例の多くは事故の背景がくわしく記載されていなかったため詳細な分析とはなりませんでしたが、活発な意見交換がなされ有意義なグループディスカッションとなりました。

 以上、国臨協北海道支部で初めて開催したウインターセミナー2015の様子を速報でお伝えしました。参加された会員の皆様お疲れ様でした。次回もぜひご参加ください。

ディスカッション風景



ウインターセミナー2015

開催日時


日時 : 2015年01月31日(土) 13:30~
場所 : 北海道がんセンター 5F 第2会議室
参加費: 500円
受付 : 13:00 から


プログラム


総合司会 国臨協北海道支部 事務局長  星 直樹  

開会の辞
 13:30~13:35
国臨協北海道支部 支部長  志保 裕行 
講演1
 13:35~14:35
司会 印部 俊雄 (国立病院臨床検査技師長協議会北海道支部 会長) 

 「職種間における医療安全」
北海道がんセンター 医療安全管理係長  坂本 美和子 氏 
休憩
 14:35~14:45

講演2
 14:45~15:45
司会 大山 博行(国臨協北海道支部 副支部長) 

 「患者目線で考えるコミュニケーション」
株式会社 モロオ 事業開発本部 弥永 利律子 氏 
休憩
 15:45~15:55

グループディスカッション
 15:55~17:00
司会 寺嶋 和宏(国臨協北海道支部 副支部長) 

テーマ 「医療安全 仮想事例」
閉会の辞
 17:00~17:05
国立病院臨床検査技師長協議会 北海道支部 会長 印部 俊雄 
国臨協北海道支部 事務局
〒063-0005 札幌市西区山の手5条7丁目1-1
独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター 臨床検査科内
TEL 011-611-8111  FAX 011-611-5820
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