支部勉強会・研修会他

研修会の報告

 国臨協北海道支部主催の研修会が、2015年05月09日(土) 13:30より北海道がんセンター5F会議室で行われました。 当日は道内各施設から42名の会員の皆様の出席があり、生化学に関する講演2題と参加者全員による生化学ケーススタディを行いました。

講演1

講演1 市原 氏
 講演1は、積水メディカル(株)カスタマーサポートセンター 市原 文雄氏をお迎えし、『自動分析装置の基礎と精度管理のコツ』と題した講演を行いました。
 講演では、精度管理のコツとして生化学検査で使用する採血管の凝固の仕組みや混和の仕方など検査前の精度管理から始まり、前回値・上下限値チェック等の設定、検査技師の能力等、多岐にわたるお話をいただきました。
 自動分析装置の基礎では装置のパラメータ設定やタイムコースの基礎、光源やセル、撹拌棒など精度管理に影響を与える装置のチェック方法について具体的な対処法を挙げてご紹介いただきました。 また、異常データが出た場合の原因究明ロジックをフローチャートを用いてご紹介いただき、特にタイムコースを確認する重要性をわかり易く解説いただきました。 最後に、どの部署でも使用しているエッペンドルフピペットの正しい使用方法について、プレウエッティングの有無や使用角度によってどのぐらい容量が変化するかを解説いただきました。 明日からの検査業務で異常データが出た時に利用可能な大変ためになるお話だったと思います。市原先生ありがとうございました。


講演2

講演2 土橋 氏
 講演2は、シーメンスヘルスケアダイアグノスティクス(株)ラボラトリー東日本営業部 血液ガススペシャリスト 土橋 洋之氏による『血液ガス分析データの見方』と題した講演でした。
 講演の前半は血液ガス分析の基本である酸塩基平衡のお話しが中心で、呼吸により調節されるpCO2と腎機能で調節されるHCO3-の関係をシーソーに例えて解説いただきました。 続いて、アシドーシス・アルカローシス時の血液ガス成分の状態と代償の動きについてや、 血液ガスとアニオンギャップの関係、血液ガス分析で測定される血糖や乳酸の意義をお話しいただきました。 後半は、採血時の注意点や気泡の取り除き方、使用する抗凝固剤など測定に影響を与える因子についてお話しいただきました。 普段、シリンジ内の細かい気泡を叩いて取り除いている方もいると思いますが、データに影響を与えるそうですので注意しましょう。 土橋先生ありがとうございました。


ケーススタディ

ケーススタディ 若月 理事
 ケーススタディは『生化学データを読む』と題し、国臨協北海道支部学術理事で生化学部門ルーチンアドバイザーでもある若月 香織氏が事例提示と解説を担当しました。 例年同様、参加者を3つのグループに分け、配布した2つのケースについてグループごとに検討を行う形式で行われました。 今回は、検討直前に問題を配布したことや普段生化学検査を担当していない会員の出席が多かったこともあり、最初は緊張した様子で意見交換がなされましたが、後半になると非常に活発な討論となり、検討時間を延長するほど盛り上がりました。
  その後、各事例についてグループの代表者から回答を発表していただき、全体での討論後、若月理事より事例の詳細について解説がありました。
短時間の検討でしたが、各グループとも知恵を出し合って見事正解に辿りつき、よいチームワークをみせてくれました。講師を務められた先生、参加された会員の皆様お疲れ様でした。次回もぜひご参加ください。

 なお、今回提示した事例と解説については北海道支部会員限定で以下のリンクからご覧になることができます。 当日参加できなかった会員の皆様もぜひチャレンジしてみてください。(IDとパスワードは各施設の施設理事にお問い合わせください)


 
ケーススタディ風景



研修会開催のお知らせ

 日時:2015年05月09日 (土)
 場所:北海道がんセンター 5F 第2会議室
 時間:13:30 ~ 16:50
講演1 (13:35~14:35)
『自動分析装置の基礎と精度管理のコツ』
積水メディカル(株) 検査事業部門 検査事業部         
カスタマーサポートセンター 学術グループ 市原 文雄 氏 
講演2 (14:35~15:45)
『血液ガス分析データの見方』
シーメンスヘルスケアダイアグノスティクス(株)          
ラボラトリー東日本営業部 血液ガス スペシャリスト 土橋 洋之 氏 
ケーススタディ (15:55~16:55)
『生化学データを読む』
国立病院臨床検査技師協会 北海道支部 学術理事 若月 香織 氏 

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