支部勉強会・研修会他

輸血研修会の報告

 国臨協北海道支部主催の輸血研修会が、2014年05月24日(土) 14:00より北海道がんセンター5F会議室で行われました。 当日は道内各施設から34名の会員の皆様の出席があり、輸血に関する講演2題と参加者全員による輸血ケーススタディを行いました。

講演1

講演1 関本 氏
 講演1は、日本赤十字社北海道ブロック血液センター事業部 関本 達也氏をお迎えし、「輸血に関する最近の話題 -輸血用血液製剤・感染症について-」と題した講演でした。 講演では、最近の話題として、「赤血球製剤の販売名変更」「輸血に関する感染症事例」「NAT検査方法の変更」「自己血輸血管理加算」についてお話いただきました。 この中で、昨年起きた血液製剤によるHIV感染事例や、中南米の感染症で、昨年日本でも献血の検査用血液から抗体が発見された「シャーガス病」についてご紹介がありました。 その後、「輸血に関して院内で質問を受けた時のために」と題して、臨床からよく受ける質問についての事例と回答を具体的なデータを示してご紹介いただきました。 特に、「血液温度の経時変化」では、冷蔵庫から取り出して輸血が終了するまでのRCC製剤バッグ本体の温度変化と針先から出てくる血液の温度の経時変化の提示があり、「なぜ赤血球製剤の加温が必要ないのか」を大変わかり易く解説いただきました。 今後の輸血業務でさっそく利用させていただきます。関本先生ありがとうございました。


講演2

講演2 岩本 氏
 講演2は、オーソクリニカルダイアグノスティックス IHビジネスユニット・テクニカルサービスセンター 岩本 泉氏による「日常検査に於ける異常反応について」と題した講演でした。
 講演では、業務で使用しているスポイトの滴下量についての検証をはじめ、試験管の並べ方、試薬の滴下の順序についてや普段何気に使用している生理食塩水の重要性、特にpHについての考察など、多岐にわたったお話しをしていただいました。 輸血検査手技の基本について非常に深く掘り下げた内容で、新人技師はもちろん普段輸血業務を行っているベテラン技師も大変勉強になる内容だったと思います。 また、会員の皆様からも質問が相次ぎ、特にカラム法については「PEGクームス法のカセットが開発される予定が無いのか」や「自動分析装置に自己対照を置けないのか」など多数の質問をいただきました。 岩本先生ありがとうございました。


ケーススタディ

ケーススタディ 佐藤 理事
 ケーススタディは「こんな時どうする?」と題し、国臨協北海道支部学術理事 佐藤 路生氏の司会で行われました。 まず、参加者を3つのグループに分け、研修会受付時に配布した3つのケースについてグループごとに20分間という短い時間で検討を行いました。 各グループにはファシリテーターとしてリーダーが1名、輸血業務に詳しい会員が1名ヘルプとして指名され、検討がスムーズに行えるように配慮されていました。 今回は新人会員の出席が多かったこともあり、最初は緊張した様子で意見交換がなされましたが、後半になると非常に活発な討論となり、検討時間を延長するほど盛り上がりました。
  その後、各事例についてグループから回答を発表していただき、全体での討論後、司会より事例の詳細について解説がありました。 普段輸血業務を行っていない方には時間が少なく少し難しい問題であったかもしれませんが、今後の業務には必ず役に立つ内容だと思いました。 なお、今回提示した事例と解説については北海道支部会員限定で以下のリンクからご覧になることができます。 当日参加できなかった会員の皆様もぜひチャレンジしてみてください。(IDとパスワードは各施設の施設理事にお問い合わせください) 講師を務められた先生、参加された会員の皆様お疲れ様でした。次回もぜひご参加ください。


 
ケーススタディ風景1
ケーススタディ風景2
ケーススタディ風景3



輸血研修会開催のお知らせ

 日時:2014年05月24日 (土)
 場所:北海道がんセンター 5F 第1会議室
 時間:14:00 ~ 17:30
講演1 (14:00~15:00)
「輸血に関する最近の話題 -輸血用血液製剤・感染症について-」
日本赤十字社北海道ブロック血液センター事業部  関本 達也 氏 
講演2 (15:10~16:10)
「日常検査に於ける異常反応について」
オーソクリニカルダイアグノスティックス               
IHビジネスユニット・テクニカルサービスセンター 岩本 泉 氏 
    
※講演2の講師が変更になりました。ご了承ください。
ケーススタディ (16:20~17:20)
「こんな時どうする?」
国立病院臨床検査技師協会 北海道支部 学術理事 佐藤 路生 氏 

国臨協北海道支部 事務局
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