北海道支部学会

 

第22回国臨協北海道支部学会・総会 速報


日時 : 2016年9月10日(土) 13:20~
場所 : 北海道医療センター 5F 大会議室


 第22回国臨協北海道支部学会・総会が、2016年9月10日(土) 北海道医療センター5F大会議室で開催されました。 学会には会員42名、メーカー6名、講師1名の合わせて49名の参加がありました。 当ページでは学会の模様をいち早くお伝えいたします。

総会

議長の千葉主任
 学会に先立ち、平成28年度国臨協北海道支部総会が開かれました。 議長に北海道がんセンター千葉主任、書記に今井理事と福澤理事を選出した後、各担当者から昨年度の事業報告、会計報告、会計監査報告が行われました。
 続いて本年度の事業計画案、会計予算案が提示されました。総務関係では、単発事業として初の試みとなる地方研修会の開催が提案されました。 遠い施設の学会、研修会の参加率が低い傾向にあることと、開業した北海道新幹線に乗って東北支部からも参加して頂くという2点を考慮して、開催地は函館になるとのことでした。
 その他、ウィンターセミナー2017を開催することと、優秀な人材確保のために道内臨床検査技師学校訪問を引き続き行うことが提案されました。
 提出された議題は代議員によりすべて承認されましたが、以前開催されたウィンターセミナー2016や今回の第22回国臨協北海道支部学会が、他の学会や研修会と日程が重なってしまったことで参加できない方もいたため、 今後は考慮してもらえるのかどうかとの質疑があり、日程が重ならないよう最大限考慮して調整を行っていく方針となりました。


 


学会

総合司会 国臨協北海道支部 事務局長 灘 雅雄 
開会の辞
 13:20~13:25
国臨協北海道支部 支部長  志保 裕行 

支部事業報告
 13:25~14:35
司会 佐藤 路生 (国臨協北海道支部 副支部長)

 1.第49回日本医師会精度管理調査結果解析
国臨協北海道支部 学術理事  若月 香織 
 2.平成27年度北海道東北支部精度管理報告
国臨協北海道支部 生化学   若月 香織 
         血液    松原 勤  
         生理    村中 美幸 
         細菌    福澤 翔太 
志保支部長
 志保支部長の開会の挨拶の後、昨年度の支部事業報告がありました。 まず学術担当の若月理事から医師会精度管理解析報告がありました。道内6施設の今回の評価項目修正点の評価点は95.6~100点であり、1施設を除いて99.7点以上でそのうち3施設が100点であったとのことでした。 また生化学分野においてC評価が1個、D評価が3個を受けた施設があり、その原因としては試薬の劣化であったとの報告がありました。 今後ISO15189を取得する施設が増加する見込みなので、特に検体検査においては分析の精度保証について細かく定義する必要があると述べられました。
 続いて、平成27年度北海道東北支部合同精度管理報告がありました。昨年度の合同精度管理は北海道支部が担当で、生化学、血液、生理、細菌の4部門について行われました。


学術研究サポートプログラムによる発表
 14:45~15:35
          座長 若松 亜由子 (国立病院機構 北海道がんセンター) 
 川嶋 友梨香 (国立病院機構 旭川医療センター) 
            
 
 1. 「自動分析装置で好塩基球偽高値を示した検体についての検討」
国立病院機構 北海道がんセンター   舘山 ゆう 
血液部門担当ルーチンアドバイザー   佐藤 路生 
 2. 「診断に苦慮した肝エキノコックス症の1例」
国立病院機構 北海道医療センター   大谷 亮二 
生理部門担当ルーチンアドバイザー   加藤 菜穂 
 3. 「血小板製剤輸血後に不規則抗体が陽転した1例」
国立病院機構 函館病院   窪之内 雅美 
輸血部門担当ルーチンアドバイザー   三嶋 秀幸 
 4. 「一側に化生癌を認めた両側乳癌の2症例」
国立病院機構 北海道がんセンター   原 真希子 
生理部門担当ルーチンアドバイザー   中野 裕章 

座長の若松技師
座長の川嶋技師
 毎年恒例となった新人育成を目的とした入社2年目の職員が対象の「学術研究サポートプログラムによる発表」が行われました。 北海道がんセンター 舘山技師、原技師、北海道医療センター 大谷技師、函館病院 窪之内技師による研究発表がありました。 どの演題もすばらしい発表内容で、フロアからもたくさんの質問があり、例年通り盛り上がるコーナーとなりました。 発表を行った技師のみなさん、研究発表をサポートされたルーチンアドバイザーのみなさんお疲れ様でした。今後更なるご活躍を期待しています。
  また、昨年に引き続き座長を若手技師に経験してもらうという試みで、北海道がんセンター 若松技師、旭川医療センター 川嶋技師が司会進行役を担当しました。 予定されていた時間通りに終わらせることができ、演者のみなさんと同じく座長もほっとしたことと思います。
舘山技師
大谷技師
窪之内技師
原技師


臨床検査学講座
 15:45~16:15
        
司会 早乙女 和幸(国臨協北海道支部 副支部長) 

「微少検体の病理組織・細胞検査および分子生物学的検索への有効利用法」
 -On-site Cytologyの試み-
国立病院機構 北海道がんセンター  平 紀代美 


講師の平主任
 今年の臨床検査学講座は「微少検体の病理組織・細胞検査および分子生物学的検索への有効利用法」と題し、北海道がんセンターの平主任による講演でした。 検体採取現場に細胞検査士が出向き処理を行う「On-site Cytology」について、実際にその様子を動画でご提示頂きながらお話して頂きました。
 以前は適切な検体処理が行われないことで、腫瘍細胞の検出や判定が困難なことがあったそうで、もっと良質な検査ができないだろうかと考え、この試みを導入したそうです。 その結果、採取される微少検体を病理組織診断、細胞診断、また分子生物学的検索へと必要量を確保できるようになったとのことでした。 さらに、CytoRich Red固定液を使用することで良好な標本の作製が可能になり、臨床サイドに対する大きな診療支援にも繋がり、見事に問題点を解決できたそうです。
 一方で、熟練した細胞検査士が採取現場に長時間付き添う必要があり人員確保が必要になる点や、「On-site Cytology」で行われる迅速細胞診断は、微少検体の有効利用の観点からは リスクが大きい点を今後の課題として挙げられ、検討していく必要があるとのことでした。病理細胞診を担当していない技師にも非常にわかりやすく、興味深い講演でした。



特別講演
 16:25~17:25
司会 志保 裕行(国臨協北海道支部 支部長)  

「最新の報告から読み解く臨床検査における純水の重要性」
 メルク株式会社ラボラトリーウォーター事業部 金沢 旬宣 


講師の金沢先生
 今年の特別講演は「最新の報告から読み解く臨床検査における純水の重要性」と題し、メルク株式会社ラボラトリーウォーター事業部の金沢先生による講演でした。
 何故検査に純水が必要なのかを、純水装置の仕組みや水に関して報告された具体的な3つの事例とともにお話しして頂きました。 日常で私たちが使用する水道水は、無機物、有機物、微粒子、細菌の不純物を含んでおり、そのままでは検査に影響を及ぼしてしまうため純水装置で除去する必要があるとのことでした。
 実際に検査機器への供給水を純水から水道水にして行った実験で、水道水の測定系への影響が確認できたそうです。 また、純水装置の水質を過信せずに基準が守られているか確認すること、純水は供給されたものをすぐに使用することと試薬の様に扱うことが試験や実験を成功させるコツだとのことでした。
 講演後の質疑応答では、日本で一番きれいな水を使っている地域はどこかとの質問に、道内の帯広とのお答えがあり、会場も大いに沸きあがりました。金沢先生ありがとうございました。


 以上、当日の学会の様子をダイジェスト版としてお伝えしました。 今学会も盛りだくさんの内容でしたが、皆様のご協力のおかげで予定通りに終了しました。ありがとうございました。この後、場所を移して学術交流会が行われ、さらに活発な意見交換がなされました。 総会・学会・学術交流会に参加された皆様、お疲れ様でした。今後は函館セミナー、ウィンターセミナー2017の開催を予定しておりますので、是非ご参加ください。



第22回国臨協北海道支部学会のご案内

 第22回国臨協北海道支部学会を下記の日程およびプログラムで開催いたします。
会員の皆様のご参加をお待ちしております。

開催日時


日時 : 2016年9月10日(土) 13:20~
場所 : 北海道医療センター 5F 大会議室


プログラム


総合司会 国臨協北海道支部 事務局長 灘 雅雄 
開会の辞
 13:20~13:25
国臨協北海道支部 支部長  志保 裕行 

支部事業報告
 13:25~14:35
司会 佐藤 路生 (国臨協北海道支部 副支部長)

 1.第49回日本医師会精度管理調査結果解析
国臨協北海道支部 学術理事  若月 香織 
 2.平成27年度北海道東北支部精度管理報告
国臨協北海道支部 生化学   若月 香織 
         血液    松原 勤  
         生理    村中 美幸 
         細菌    福澤 翔太 
学術研究サポートプログラムによる発表
 14:45~15:35
          座長 若松 亜由子 (国立病院機構 北海道がんセンター) 
 川嶋 友梨香 (国立病院機構 旭川医療センター) 
            
 
 1. 「自動分析装置で好塩基球偽高値を示した検体についての検討」
国立病院機構 北海道がんセンター   舘山 ゆう 
血液部門担当ルーチンアドバイザー   佐藤 路生 
 2. 「診断に苦慮した肝エキノコックス症の1例」
国立病院機構 北海道医療センター   大谷 亮二 
生理部門担当ルーチンアドバイザー   加藤 菜穂 
 3. 「血小板製剤輸血後に不規則抗体が陽転した1例」
国立病院機構 函館病院   窪之内 雅美 
輸血部門担当ルーチンアドバイザー   三嶋 秀幸 
 4. 「一側に化生癌を認めた両側乳癌の2症例」
国立病院機構 北海道がんセンター   原 真希子 
生理部門担当ルーチンアドバイザー   中野 裕章 

臨床検査講座
 15:45~16:15
司会 早乙女 和幸(国臨協北海道支部 副支部長) 

1.「赤血球膜の構造とはたらき」
血液部門ルーチンアドバイザー  佐藤 路生 
1.「心臓超音波検査の基礎」
生理部門ルーチンアドバイザー  中野 裕章 
特別講演
 16:25~17:25
司会 志保 裕行(国臨協北海道支部 支部長)  
 

「最新の報告から読み解く臨床検査における純水の重要性」
 メルク株式会社ラボラトリーウォーター事業部 金沢 旬宣 

閉会の辞
 17:25~17:30
国臨協北海道支部 副支部長 早乙女 和幸 
国臨協北海道支部 事務局
〒063-0005 札幌市西区山の手5条7丁目1-1
独立行政法人 国立病院機構 北海道医療センター 臨床検査科内
TEL 011-611-8111  FAX 011-611-5820
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